息子の鼻から出てきたどんぐりはこちらです

埼玉から滋賀の山奥に移住して2年目くらいの時の話です。息子がまだ3歳でした。
「忍たま乱太郎」に出てくるしんべえが3次元に現れたらこうなるだろうという風貌でした。
それは冬の優雅な休日の朝でした。

「どんぐり、なくなった」

古民家の土間で調子よく遊んでいた息子が急に「どんぐり無くなった・・」と訴えてきました。
そして床を一生懸命探してるので、ここにどんぐりあるよ、と落ちてるどんぐりを指しても首を振り「どんぐり無くなった」の一点張りです。
そして涙をポタポタ垂らしはじめました。どうも様子がおかしい。
嫌な予感がしてきました。
「どんぐり、どこで無くなったの?」と優しく聞くと、うつむきながら不安そうに私を見つめ、自分の鼻をそっと指差しました。
・・・うそやろ(白目)


「鼻に入ったの?どんぐりが!?なんで?」

鼻の穴を除いてみるとなんかあるような気がするけど全然見えないし、何やっても取れない・・少量の出血もあり、泣き出す息子。
途方に暮れた私は、とりあえず困った時のgoogle検索「どんぐり 鼻 入った とれない」と入力しました。すると、出てくる、出てくる、鼻にどんぐり事例集!

検索結果
・取れない位置まで行ってるの結構ヤバイ
・最悪、鼻か喉の切開などして取り出す外科手術の可能性もあり
・1秒でも早く病院行け
私は青ざめました。私の優雅な休日は終了しました。私は息子の鼻に入ったどんぐりに振り回される事になりました。取れない場合は外科手術の可能性まであるのです。

緊急外来なのに断ってくる

急いで休日やってる最寄りの病院に連絡し、事情を説明するも小児科医がいないということで断られました。息子の鼻のどんぐりは一刻を争う緊急事態だというのに!こうしてる間にもどんぐりがどんどん奥に入り込んで息子の身体にメスを入れるような事態になったらどうしてくれるんですか!?と泣き叫びたい気持ちをぐっとこらえ平然を装いながら、休日でも小児を受付してくれる病院を聞き出し、受け入れてくれることになったのは、山を超えた30キロも先にある街の大学病院でした。

「40秒でしたくしな!!」

ラピュタに出てくるドーラのあの名セリフです。
スヤスヤ寝てる赤子と休日をのんびり過ごしてる長女に私は叫びました
本当に40秒くらいで私は財布と保険証とオムツと着替えだけ持って、赤子と息子を前後のチャイルドシートに括り付け、嫌がる長女を後部座席に座らせ、半分凍ってるような車のエンジンを無理やりふかして山道を全速力で走り出しました。(冬は道が凍るので、春までタイヤは常にスタッドレスという地域でした)
どんなに急いでも1時間はかかります。
15キロくらいは景色も山しか見えません。不安な気持ちを抱えながら、私は曲がりくねった山道を走り続けました。
1時間後、やっと街が見え、病院の駐車場に着きました。
気づくと後部座席で子供達が楽しそうにはしゃいでました。
長女がゲラゲラ笑って息子も何故か笑ってます。
「息子くんの顔見て〜!!」長女がゲラゲラ笑いながら息子を指差します。

え?

息子 の鼻の穴からどんぐりがちょっとだけ顔を出してました。

これ!!!ずっと探してたどんぐり!!!

見えなかった鼻のどんぐりが山道を走り続けた衝撃なのか、チャイルドシートの角度がよかったのか理由は定かではないですが、鼻の奥から降りてきて、穴からちょっとだけ出てるのです。

「絶対触っちゃダメ!!息子くん、鼻で息しないで!!」私は叫んで、そのまま赤子と息子を抱え、長女を連れて緊急外来へ駆け込みました。
電話してたので、すぐに先生のところへ案内してくれました。
「電話した時は全く見えてなかったんですが、今、どんぐりがそこまで降りてきました」と私は先生に息子のどんぐり事情を説明しました。
もう私の手でも取れそうなくらいの位置にどんぐりはありましたが、
先生と看護師さんは、慎重な面持ちで「お母さん、さがってて」と言って、あらかじめ用意しててくれた子供用の布団にベルトが付いたもので息子の身体を固定し、看護師さんが息子の頭を押さえながら、先生が頭にライトを点け、慎重に、ピンセットで息子の鼻からどんぐりを取り出しました。

息を飲む一瞬でした。

無事、どんぐりは息子の鼻から出てきました。
息子は外科手術を免れたのです。
ホッとして泣きそうになってる私に先生が叫びました
「お母さん、ほら!スマホ!スマホ!!」
「え?あ、はい」
私はガーゼに丁寧に置かれた息子の鼻から出てきたどんぐりを撮影しました
「もういいの?もっと撮る?」
「あ、もう大丈夫です」

「カメラカメラ!」先生が指示出して看護師さんが棚からデジカメを出すと先生がパシャパシャ息子の鼻に入っていたどんぐりを撮影し始めました。
「お母さん、この子が大きくなったらこれ見せないと〜こんなん鼻に入れてたんやって。反抗期になったら見せないと〜」
看護師さんと先生で大盛り上がりして爆笑してるのを布団に括り付けられた息子とぼんやり聞いてました。


そういう訳で、我が家には、今もしっかりと息子の鼻に入ったどんぐりの写真が残ってるわけです。
いつの日か「この写真、何?」と息子に言われたらこの日のことを話そうと思っています。

先日のハイライト

名称未設定のデザイン (5)

先日、年下の友人が雨の中、後ろに前に子供を抱えてる姿を見てたら、ふと息子の鼻のどんぐり事件を思い出したのです。
そういう時期、私にもあったよ〜大変なの、今だけだからね〜
そういう時期を超えて今・・・今も全然大変なんですけどね(白目)

・・・母業は続きます。いつまでも。

ここまで読んで下さりありがとうございます。

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